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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

TZR125のエンジンスワップ ― 後編

搭載されていた2RMエンジンに問題があったので、出品業者曰く、好調な実働2RM用エンジンをヤフオクで落札。エンジンスワップ後に、キャブレターのペストセッティングを追い求めるため、シングルシート、フューエルタンク、エアクリーナーボックス、キャブレターの取り外しを、幾度となく行ったのであった……。

エアクリーナーボックスの是非

エアクリーナーボックスにセットされているブタ鼻ダクトを取り外してセッティングを試みるも、吸気音が思った以上にうるさかったので、すぐに戻すことにした。

二輪四輪を問わず、エンジンの調子の良し悪しは、人の感覚というセンサーで判断できると思う。ベストなセッティングは、ストレスなく吹け上がることだ。そのエンジンを労わるために、余計な負荷は掛けたくない。例えチャンバーを取り付けていても、街乗り仕様に限っては、いわゆる直キャブは避けるべきだと思っている。純正以外のチャンバーを装着した時点で、キャブのセッティングは気難しくなるのは理解している。それでもエンジンを労わるために、社外チャンバー装着にもエアクリーナーボックスとエアフィルターは、個人的には必ず取り付けるべきアイテムだと思っている。

ブタ鼻ダクトをエアクリーナーボックスに装備した純正仕様の状態にして、キャブレターセッティングを行った。それにインダクション効果を得るためには、ブタ鼻ダクトは必須アイテムのようだ。

2ストバイクは、オイル成分を含む白煙の排気によって汚れやすい。2ストオイルによっては、排気口からポタポタ垂れるような状態にもなるぐらいだ。さらに直キャブ仕様でなくともキャブレターの吹き返しでクランクケース周りが、混合ガソリンでベトベトになって汚れてくる。直キャプでは何を吸い込むかも分からないし、少なからずダメージも蓄積しやすいと思う。かように汚れる2ストバイクを少しでも奇麗に乗るため、エンジンにダメージを与えないために、さらにはインダクション効果を高めるエアクリーナーボックスは、取り付けるべきだと思っている。

 

キャブレターのセッティング

キャブレターのセッティングにあたっては、値を紙切れに書いてデジカメでメモをしておいた。画像データの日時で管理できるので、セッティング最後の値がひと目で分かり、日時を経る場合などに重宝する。

キャブレターセッティングのために、キースター製のTZR125(2RM/3TY)キャブレター燃調キットFY-5133Nを購入した。このキット、フロート関係のパーツを除けば、ほぼ新品同様のキャブレターに再生するオーバーホールも可能なキットなのだ。キット付属の各パーツを確認していくと、主に真鍮挽き物パーツで各種構成されていて、フロート室のガスケットもあるというお買い得なものになっている。キャブレターへの組み付けは、精度の高いパーツで気持ちよく取り付けられていく。この燃調キットは価格面でも不満はないし、アマチュアレストアラーには、ありがたい商品構成だと思う。

純正キャブレターVM26SSに、キースター燃調キットを組み込んでオーバーホールを行っている。キャブレター用クーラントホースは、セッティング時に何度も取り外すのが面倒なので、シリンダーヘッドと共にループさせてしまった。ジェットニードルの段数変更だけなら、タイトル画像のようにキャブレターを外さなくても行える。

純正メインジェットの番手は#180だ。取り付けてあったメインジェットは、腐食で番手が読めず参照できなかった。と言うことで、キャブレターセッティングはチャンバー装着を考慮して、ジェットニードルは純正指定、メインジェットを#200から始めてみることにした。キャブレターを組み付け、エアクリーナーボックス、フューエルタンク、シングルシートを取り付けていく。暖機運転を軽く行い、走行テストに向かう。燃調が全体的に濃いのか6000回転辺りで谷があり、トップエンド付近でも詰まる感じがある。ムムッ! これではエンジンスワップの意味がない。セッティングを始めたばかりだと気を落ち着かせ、再度バラしていく。次はメインジェットを#200のまま、ジェットニードルのクリップ段数を1段下げて3/5としてみる。これならキャブレターは取り外さなくて済む。

最終的にメインジェットは、ノーマル+10の#190に設定した。若干まだ濃いようだが、気温が下がると燃調が変わるので、このまま様子見することにした。

セッティング確認のため、テスト走行で近くを1周してくる。まだ燃調が濃いようだ。高回転側が重ったるい吹け上がりなのだ。次はメインジェットを#190に変更、ジェットニードルのクリップ段数を4/5へと戻してみた。各パーツを組み上げて、セッティング確認に向かう。若干濃い目の吹け上がりのようだ。プラグを外して見てもまだ濃い目だけれど、レース用チャンバーなので、これ以上メインジェットの番手を落とすことは、あえてしなかった。ベストセッティングとは言い難いが、あまり薄くして焼き付くよりはマシだと思う。それにこれから気温が下がっていくと燃調が変わるので、当分の間は様子を窺うことにした。

ストロークオイルは、ヤマハSuperRS(通称赤缶)にしている。ヤマハの2ストロークオイルは、どれも評判がいいようだ。以前の赤缶は四角い缶だったのだが、青缶と同様の形状になったようだ。

2ストロークオイルは、ヤマハの通称赤缶にしている。2ストロークオイルの中では、排気ガスの白煙も少な目だと思う。価格は高めだが、性能はお墨付きのようだ。それとガソリンはハイオク仕様とした。ハイオク専用車としたので進角を若干早めに設定した。ネット情報を参考にして、ピックアップコイル取り付け用の穴を、進角方向に棒ヤスリで長穴にして調整を行った。調整後は、高回転方向にピークパワーが以降しているようになった。それとは逆に低回転側は、スカスカになったような印象だ。言ってみれば2ストらしいパンチのある吹け上がりとなったようだ。小排気量の125ccということでシフトチェンジは忙しいが、それなりに面白いバイクに仕上がったと思う。