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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

レストアなったスズキ ジェンマ125 ― 中編

中編は、電装関係を中心にご紹介しようと思う。特に自作したホワイトメーターは、他のジェンマ125にはない唯一のもの。ホワイトボディのジェンマによく似合っていると自負している。


 

 

レストア&モディファイ

3.電装関係

ヘッドライトのレンズに、クリアイエローフィルムを水貼りしている。

灯火類は全てLED化した。LED化は電球を淡々と置き換えていけばよいのだが、ヘッドライトのLED化は、そう簡単ではなかった。バルブコネクターが独自で、ヘッドライトケースにねじって固定するタイプなのだ。LEDランプを取り付けるためには、バルブコネクターの改造と、LEDランプ本体の一部をヤスリで削って細身にし、コネクターに差し込めるような加工をしなければならなかった。加工を施し取り付けてみると、光源の位置を極力合わせたので、光軸も問題ないようだ。ヘッドライトのレンズには、マイ定番スタイルのクリアイエローフィルムの水貼りを行った。

ヘッドライト用の純正コネクターを改造して、LEDヘッドランプを取り付けた。

昭和製のジェンマ125ではあるが、使い勝手を考慮してスマートフォンの電源供給用にトランク左側上のスペースに、USB給電用のコネクターを新設した。穴開けは、任意の位置にドリル刃、ホールソー、リーマーで行っている。配線は、バッテリーのプラス端子→リレー→USBコネクターの端子へと、0.75sqの電線ケーブルとリレーハーネスを利用して行った。ジェンマ125はライト点灯のオフスイッチがあるタイプなので、ポジションライトオンで、USB給電コネクターが導通するように配線を行っている。

ポジションライトのスイッチをオンにすると、USBコネクター内のLED照明が点灯するので、USB電源の導通確認が行える。USBコネクターは、ゴム製カバー付きの防水タイプ。

ライトスイッチオフでは導通しないが、ジェンマ125は常時点灯義務の対象外ではあるが、日中でもヘッドライトオンで走行するようにしているので問題ないだろう。それと、フロントトランク上のハンドルポスト中央に跨るコ型の黒い樹脂製のパーツがなくなっていた。そこで、厚手カッティングシートのブラックで作成することにした。コピー用紙をトレーシングペーパー代わりにしてコ型の型取りをし、スキャニングしてパソコンに取り込んだ。パソコンでトレースをして、カッティングマシンでコピー用紙をカット。カットした用紙をコ型の形状に合わせ込み、フィットするまで何回か修正を行った。満足のいくものができたので、コピー用紙をカッティングシートに換えて切り出した。

USB電源供給用の配線は、アマゾンで調達したリレーをかまして導通させるようにした。ウインカーを全てLED化したので、LED対応ICウインカーリレーに交換している。

実は、訳あってメーターパネルを新製している。その訳とは、メーターの樹脂ガラスにオイルのようなものが、上下に何本か流れているように付着していて気になっていた。そこで、メーターユニットを外し、パーツクリーナーや無水エタノールで落とそうと試みたが、なかなか奇麗にならなかった。その作業を繰り返し行っていたら、メーターパネルの塗面が溶剤で侵されていることに気づいた。樹脂ガラス面を下側にして行っていたので、メーターパネルが侵されるとは思わなかったのだ。しばし途方に暮れたが気を取り直し、【 アプリオタイプ2メーターモディファイの変遷】でメーターパネルを作成したように、ジェンマ125用にもメーターパネルを新製することにした。

奇麗にしようと思ったのが裏目となり、悲惨な状態にしてしまった純正メーターパネル。まさかこんなことになるとは……。

新製しようと決断できたのは、インクジェットプリンターで印刷できるプラ板を見つけられたからだ。プラ板は、ジェンマ125のメーターパネルが印刷できるサイズという運もあった。そのプラ板は、入手しやすい100円ショップのダイソーとセリアで販売されていた。いずれも購入できたので、メーターユニットの殻割りを行うことにした。ところが、樹脂ガラスとメーターユニットの隙間に、薄手の金属ヘラがなかなか差し込めないのだ。そこで、ヒートガンでユニットの接合部を温めてみることにした。すると、ガッチリと貼りついていた粘着剤が軟化したのか、ヘラでこじ開けられるようになったのだ。

純正メーターパネルの黒色を完全に剥がした状態。印刷したプラ板だけだと薄すぎて使用に耐えないので、純正メーターパネルに糊付けして使用した。

外した純正メーターパネルは、スキャンをしてパソコンに取り込み、パネルデザインのトレースを行うことにした。トレースを終えたら彩色だ、パネルデザインの彩色は、イタリアンカラーと決めてあった。彩色が終わり、件のプラ板にプリントアウトすると、異なる色相になってしまった。「転びすぎ」と思いつつも、調整をして何回か印刷を行ってみると、ソコソコ満足のいくものができ上った。プラ板のホワイト地を生かしたメーターパネルを、メーターユニットに組み付けてみる。裏板には塗面が汚れた純正メーターパネルを宛てがってある。その状態でLED蛍光灯にかざしてみると、盛大にムラのある透過光になってしまった。

プラ板のホワイト地をいかした状態では白過ぎて、ジェンマ125の日に焼けた純正色のスーパーホワイトには合わなかった。

そこで、純正メーターパネルの塗面を奇麗に全部剥がし、真っ白な状態にすることにした。そこへ印刷したプラ板を貼れば、問題ないだろうと思ったのだ。しかし、そうはならなかった。今度は透け過ぎて、メーター内部の機器のある所は真っ黒、それ以外は真っ白になってしまったのだ。ならばということで、真っ白の純正メーターパネルの裏面に、メタリックシルバーのカッティングシートを貼り、不必要な光を遮断するのはどうだろうと考えた。それにメタリックシルバーの光沢で、内部反射も期待できるかもしれない。そして、施工したものをLED蛍光灯にかざしてみると、目論見通りに上手くいってくれた。やっとだ……。

完成したホワイトメーターパネル。奇数km/hの位置に小穴を開けレジンを流し、50km/h以上は赤入れをした。目視ではここまで滲んでなく、クッキリと見えて視認性は良い。

印刷し終えたプラ板をメーターユニットに組み込み、樹脂ガラスを被せ、ジェンマのメータースペースに仮置きをしてみた。プラ板のホワイト地のままだと、白過ぎて違和感を感じてしまった。そこで、ホワイト地にも塗色することにした。メーターパネルのベースカラーは、ジェンマ125と同様なオフホワイトが一番ピッタリくると思う。その仕様で印刷を行ってみる。続いてメーターパネルに加工を施した。奇数km/hの位置に小穴を開け、レジンを流し込んで透過するようにしたのだ。50km/h以上には、裏から赤のマジックで色入れをして、赤い透過光とした。メーターの照明は、全てLEDだ。数多く失敗はしたが、気に入ったものがなんとか形になったようだ。プラ板は、ほぼ使い果たしてしまったが……。

ガソリンメーターが不動だったので、ガソリンタンク内にあるフロートセンサーユニットを取り外してみた。不動の原因は、接点の接触不良だったようだ。

それと同時に、ガソリンメーターが不動だったので、メンテナンスを行ってみた。ガソリンタンク内にあるフロートセンサーユニットを取り外し、チェックをしてみる。ガソリンの量でフロートが上下すると、フロート先端の接点がコイルの左右に動き、電気信号をガソリンメーターに送る仕組みのようだ。メーターからのコネクターに繋ぎ、フロートを動かしてみると、ガソリンメーターが動いているのが確認できた。不動の原因は、接点の接触不良だったようで、接点をヤスリで磨いたら復活した。ただし、接点の位置がずれてメーター表示が狂ってしまい、何度もフロートセンサーユニットの出し入れをして、調整をする羽目になってしまったのだ……。

ー後編へつづくー