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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

14-54mm f2.8-3.5レンズのフォーカスリングを補修

長年使用していたレンズのフォーカスリングのゴムが、ベトベトになってしまった。そこで、ゴムを全部剥がすことに決定! 剥がしたフォーカスリングの部位は、カッティングシートで補修を行ってみた。

フォーカスリングのゴムを取り除く


ズイコーデジタル14-54mmf2.8-3.5は、使い勝手、写りとも秀逸なレンズだと思う。

フィルムカメラの時代は、マニュアルフォーカスはニコン、AF時代になるとキヤノンを選んだ。そして、デジタル一眼レフは、完全にデジタルにフォーカスしたフォーサーズオリンパスを選んでいる。何れの機種も高級機でないので、こんな鞍替えができたのだと思う。ただし、マニュアルフォーカス時代のニコンは、友人が使用しないとのことで、F2Aというフラグシップモデルを譲り受けて使っていた。それ以外は中級機か普及機だった。AF時代の鞍替えは、ニコンは互換性を優先したこともあり、キヤノンの先進性に心動かされてしまったのだ。


インナーフォーカス用のフォーカスリングのゴムを全削除したら、段になって溝がある形状だった。溝の前はレンズ本体側の筐体で、回転や前後に稼働しない。

何せ超音波モーターとやらをレンズ内に収めたのだ。しかも普及機のレンズにだ。新しもの好きとしては、これでやられてしまった。殆どモーター音を発せずに、フォーカスが合焦する感じだった。そして、レンズマウントの口径も大きくなり、デザインも含めて次世代カメラという雰囲気があった。次にデジタル一眼レフカメラが台頭してくると、フォーサーズの撮像素子に適応した専用設計のレンズが気になりだした。撮像素子に光を垂直に導くテレセントリック性により、シャープでクリアな描写が得られるという。フィルム時代のレンズは、光が斜めに撮像素子に入るため、像の流れや色にじみなどが生じやすいようなのだ。

 

フォーカスリングをカッティングシートで補修


稼動しない部分は、フォーカスリングよりも若干径が小さかった。そこで、接着剤が付かないように5ミリ幅のカッティングシートを貼って対処。この部分は3枚重ねとなる。
※テスト用サンプル

そしてまた、新しもの好き人間は、オリンパスフォーサーズシステムへと鞍替えしていったのだ。と言っても、3桁機の普及機クラスではある。最初にE-300というデジタル一眼レフカメラのWズームレンズセットを購入した。軍艦部がないのが特徴のカメラで、それに食指が動いたのもある。それから少し経ち、松竹梅でいうところの竹レンズ、ズイコーデジタル14-54mm/f2.8-3.5を購入した。フォーサーズは、35mmカメラ換算で焦点距離が2倍というのも分かりやすくて良い。つまり、同レンズは28-108ミリの焦点距離となり、f値はそのままで2.8-3.5と明るいズームレンズなのだ。このレンズを購入してからは、カメラは新規購入しても、この竹レンズだけは使い続けている。


5ミリ幅のカッティングシートを貼ったので、その部分は浮いた状態になっている。そこで、つなぎめの反対側からもう一枚厚手のカッティングシートを巻くことにした。

そんなお気に入りのレンズを防湿ケースから久々に取り出してみると、フォーカスリングのゴムが、加水分解でベトベトになっていた。いきなりなった訳ではなく、若干その傾向はあったので、ゴム部分を無水エタノールで拭いてはいた。今回も無水エタノールで拭いてみたのだが、一向にベトベトが無くならない。さらに少し強く拭いたら、ゴムのヒダが千切れてしまった。これ以上やっても埒が明かないだろうと、フォーカスリングのゴムを取り払うことにした。ネット検索してみると、このレンズのフォーカスリングは、ベトベトになることが意外に多いらしい。さらに、アマゾンで販売されているタムロンのズームレンズ用のゴムが流用できるらしいことも分かった。


照明を当てているから素材の違いが良く分かるが、ぱっと見ではそれほど分からないと思う。フォーカスリングは電子的なスイッチなので、カッティングシートのフォーカスリングでも、軽い力で回転するため特に問題なさそうだ。タイトルカットは、補修後のもの。

しかし、よくよく考えると、マニュアルフォーカスを使ったことは、ここ最近は殆どない。さらに、自分の目も余り当てにならない域に達している。言わばオートフォーカスありきの状態なのだ。ならばマニュアルフォーカス用のゴムリングを購入する必要はないのではないか。とはいえ、見た目も大事なので、フォーカスリングのカバーを作ってしまえ、というのが今回のDIYなのだ。カッティングシートでの出来上がりは、レンズ本体の塗装面とは違うが、ぱっと見は、違和感はない気がするがいかがだろうか。意外と純正チックだと思う。しかもフォーカスリングは可動する。それにしても、良く触るズームリングは、ベトベトにならずに、殆ど触らないフォーカスリングがベトベトになるのは、これ如何に……。