page contents

ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホンダCBX125Fのレストア完結 ― エンジンコンバート後編

車体関係は、ほぼ全塗装に近い我がCBX125F。そこで、搭載した見劣りのする塗装剥げエンジンを、おめかしすることにした。そのついでに、以前からやってみたかった空冷式黒塗装エンジンならではの、エンジンフィンの磨き出しも行ってみた。


 

 

マスキングで行った耐熱塗装

フレームを含めて車体は、なんだかんだで殆ど全塗装状態だ。そこへ塗装剥げの酷いエンジンの搭載。少しは見栄えが良くなるように、ダイソーのダイヤモンドシャープナーでエンジンフィンを磨き出し、粗隠しを行うつもりだった。ところが、フィンが綺麗になったことで、塗装剥げが余計にみすぼらしさを強調してしまったのだ。もう小手先でごまかすのではなく、素直に塗装を行った方が良さそうだ。

 

塗装は、シリンダーヘッドとシリンダーだけにして、エンジンは降ろさずにマスキングで対処することにした。そして2つあるエンジンをニコイチにして、手抜きで奇麗にしようと考えた。エンジンの違いを大雑把にいうと、外身良好で中身ポンコツ、外身ポンコツで中身良好だ。そこで、カムカバーとクランクケースカバーは、外身良好な元エンジンから現エンジンへと転用することにした。これでめでたく外身・中身とも良好なエンジンとなる。 

 

シリンダーヘッドとシリンダーをつや消し黒に

塗料は、モノタロウの耐熱スプレーのつや消し黒を利用。塗装は、捨て吹きを含めて4回ほど行っている。耐熱塗料は熱を入れないと硬化しないので、塗料が生乾きの内にマスキングをさっさと取り外した。そして、フューエルタンクやマフラーなどの各パーツを組付け、そこらをグルっと走ってくることにした。

 

フライホイール側クランクケースカバーは、ACジェネレーターがカバー裏側に付くタイプなのだ。組み換え時に今の調子を崩してはと、交換を見合わせているところだ。タコメーターケーブル接続口は、電気式タコメーターに変更しているため不要だ。15ミリ径の穴を塞ぐため、ダイソーJOLFシリーズのエンドキャップのサイズが丁度良かったので押し込んである。

 

シリンダーヘッドフィンの磨き出し

走行後は、空冷式エンジンから、かなり熱を発している。そのまま車庫にしまい、一晩置くことにした。翌日になって塗料が乾燥したようなので、シリンダーヘッドフィンの磨き出しを開始。これは、空冷式黒塗装エンジンならではの醍醐味だろう。粗隠しではシリンダーフィンも磨いてみたのだが、ちょっと煩くなったので、シリンダーヘッドだけに留めておいた。元エンジンから転用したクランクケースカバーの綺麗さは、とても35年前のものとは思えないほどだ。

 

黒の半つやと、つや消しの組み合わせも悪くないと思う。こちら側はクランクケースとクランクケースカバーの塗装剥げが酷い。クランクケースカバー交換は、何かトラブルでカバーを開ける必要がある時になると思う。フィンの磨き出しは、なんちゃってクォリティーなので、磨き出し職人のレベルとは程遠い。シリンダーヘッドから、RFVCの光物がなくなっているのが惜しい。

ついでのおめかしでレストア&モディファイ完結

おめかしついでに古くなったグリップも交換した。取り付けたグリップは、ジェンマ125用にモノタロウで調達した同一品。安価な割には3年経ってもゴムが柔らかい。ただし、グリップエンドは貫通タイプではないので、ジャンクハンドルを利用して貫通タイプに加工した。グリップ内にシリコンスプレーを吹き、ハンドルに入れてグリップエンドをゴムハンマーで叩いて貫通させる力技だ。穴径の大きなアクセル側は、グリップエンドを抜いてからカッターで整えた。グリップのワイヤリングは、ワイヤーツイスターと、ダイソーの0.55ミリステンレスワイヤーで行った。これだけで何となくレーシーになるが、街乗りバイクでは、どや顔アイテムに近いかも……。

 

エンジンコンバートにより、セル一発で無事走行できるようになったCBX125F。本機は、2スト全盛期に4ストで果敢に挑戦した、乾燥重量105kgで17PSを誇る軽量韋駄天バイクだ。それゆえかエンジンの吹き上がり方は、まるで2ストのようで面白い。コムスターホイルを始め、エンジンメカニズム的にも当時の最新技術を盛り込んだコストの掛かったバイクといえるだろう。旧車人気の昨今、貴重な存在になるかもしれない。