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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホンダCBX125Fのレストア完結 ― エンジンコンバート中編

エンジンコンバート前編で触れた、エンジンマウントのガタつきの問題。恐らくCBX125F、CBX125C共にこの問題が顕在化するのではないだろうか。純正インシュレーターに問題がなく、エンジンマウントにガタがあるなら、今すぐにでも対策を講じた方が良さそうだ。


 

 

エンジンマウントを補填

エンジンマウントのガタ解消のため、早速取り組むことにする。ガタがあるということは、そのガタ分をなくせばいいわけだ。金属製のワッシャーを利用することもできるが、ゴム収縮によるガタなのでゴムで補填したかった。そこで、ジャンク箱にあった厚さは0.7ミリほどのチューブを利用して、画像のような形状を2セット分作成した。あとは切り出したチューブを、エンジンマウントとクランクケースの間に挟み込めばよい。

 

ガタ対策を講じてみると、フロント側は殆どなくなり、リア側は解消されている。状態を確かめるべくテストランへ。戻ってからチェックしたところ、フロント右側のスペーサーが飛び出しているのに気付いた。0.7ミリでは薄かったか? もう少し厚くないとだめなのかもしれない。他の自転車用ゴムチューブを探してみる。見つけたものは、1ミリ厚だった。これならいけるかもしれない。

 

明らかに問題のある0.7ミリ厚チューブを取り出してみた。すると様子がおかしい。かなり縮んでいるのだ。画像でも確認できると思うが、左の4点は、元々右4点と同サイズで切り出してある。特にエキゾースト近くにあるフロント側の縮小が顕著だ。当初はゴムと信じて疑わなかったが、これって本当にゴムなのだろうか……。

 

自転車のチューブがおススメ

確かにチューブではあるのだが、これだけ収縮するのはヒシチューブかもしれない。それにしても、こんな幅広で肉厚のヒシチューブを、何を目的で購入したのだろうか……。とんだ凡ミスをしてしまった。もう一方はMTB用ゴムチューブで、26インチ1.50サイズの本番用。フロント側は滑り止め効果を狙い、線状パターンのある箇所を選んでみた。切り出した1ミリ厚ゴムチューブは、ボンドG17で固定してしまった。エンジンとエキゾーストの熱でどうなるかは分からないが、様子を見てみようと思う。自転車チューブが手元にない場合は、アマゾンで安価に新品を入手する方法もあるので、覚えておくとよいだろう。エンジンマウント復旧のためには、新たに入手するのも一考の余地があると思う。

 

エンジンマウント自体は、フロント、リア、上側の3ヵ所にある。それらのボルトとナットをすべて外し、エンジンをマフラー側にずらせば、クランクケースの凸部にエンジンマウントはなんとか組み込める。マフラーは取り外さずに行ってしまったが、問題はないだろう。組付けは、画像の位置にジャッキを掛けて、ボルト穴の位置までエンジンを上げ、フロント、リア共にボルトを通していく。あとは、反対側にゴム付エンジンマウント、ステーの順に付け、ナットで固定するだけだ。

 

ギクシャクからスムーズな操作感に

分かり難いかもしれないが、クランクケースとエンジンマウントの間に1ミリ厚ゴムチューブを組み込んである。エンジンマウントを動かそうとしても全く動かなくなった。左右合わせて2ミリ厚のゴムチューブで、ガタは解消されたようだ。

 

リア側のエンジンマウントも左右でプラス2ミリとなり、ガタの気配は全くない。この画像はテストラン後に撮影したものだが、今のところ、熱の問題もクリアしている。夏の暑い時期の長距離走行では、違った結果になるかもしれないが……。

 

そして、テストランで分かったことがある。以前はギアシフトの度に、何か引っかかるような感じで、気持ちよくギアシフトができなかった。それが対策後は消え失せ、操作感が大幅にアップしたのだ。さらに、速度維持のアクセルワークに伴っていたギクシャクが、ほとんど気にならないレベルに激変。これなら乗っていても疲れない。実はギクシャクは、フューエルタンク内のラスボスの小さなカスの影響か、キャブレターセッティングで、引き起こされているのかと思っていた。ところが、そうではなくてエンジンマウントのガタが原因だったのだ。操作感やライドフィールのあまりの変わり様に些か驚いている。耐久性は不明だが、この改善はおススメできると思う。