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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ヤマハTZR125レストア&モディファイ ― 電装関連編②

メーカークオリティを掲げ、レストア&モディファイに精進している。今回は電装関係の第2弾だ。バッテリーレス仕様から、1本のアルミ製フラットバーで解決したバッテリー搭載方法のアイディアとは……。とくとご覧あれ。


 

 

タイラップからの解放

レギュレーターはケーブル長の関係で、フレーム右側裏面にステーを介して取り付けることにした。1か所しかネジ止めできなかったが、今のところ問題ないようだ。

レース用コンプリートマシンという形態から、不必要なステーはことごとくカットされていた。フレーム裏面のレギュレーターを取り付けるステーも例外ではなかった。現状のタイラップ止めのレギュレーターは、なんらかのネジで固定したい。そこで新たにアルミ製フラットバーからステーを作成。そのステーにレギュレーターをネジで固定、そのステーごとメインフレームにネジ止めする構造にした。ステーの取り付けはフレームに開いていた1つの小穴を利用、大き目の穴から指を入れ、小穴の裏面からネジを通すという離れ技で解決した。現状1か所止めだが、問題なさそうだ。

TZR250(1KT)用のヘッドライトユニットをヤフオクで調達した。枠はサビが酷かったので使用せずにTZR125用と入れ替えた。これでH4バルブが利用できるようになり、LEDヘッドライトの選択肢が大幅に増えることになる。

TZR125の純正ヘッドライトバルブは、PH6Eという形式だ。灯火類全LED化のためには、ヘッドライトも汎用性のあるH4バルブを使いたい。TZR250(1KT)の角型ヘッドライトを流用できるのが分かり、ヤフオクで調達。取り付け枠は、サビが酷かったので、TZR125用に付け替えている。これでH4のLEDに置き換えられる。

旧車の類は、二輪でも四輪でもLED化が最良だと考えている。ジェネレーターやオルタネーターにやさしいと信じて疑わないのだ。近頃はイニシャルコストも下がり、LED導入もしやすくなったと思う。それと、個人的にはウインカーは、電球の「ボワンボワン」よりも、LEDの「パッパッ」と切れのいい点滅が好みというのもある。

家庭内における照明も、LED照明に全て置き換えてしまった。電気代も随分と抑えられているはずだ。これはまた別の機会にご紹介したいと思う。

 

バッテリーレスからバッテリー搭載へ

四角い黒い箱がCDIユニット。その下にぶら下がっている黒い円柱状のものが、バッテリーレス用電解コンデンサー。それにしてもそこら中タイラップ止めだらけだ。

このTZR125は、過去に何人がオーナーになったのかは全く不明だ。現在の状態から推察すると、レース用に改造されたOXレーシングのコンプリートマシンを、フルカウル化して街乗り仕様に戻して乗ろうとしたのだけは分かる。

その中でも電気系統は、ACジェネレーターと電解コンデンサーだけの、いわゆるバッテリーレス化が施されていた。元々の成り立ちがレース用なので、重いバッテリーを外し、軽量化されていた。そこへ電解コンデンサーを加えて灯火類に対応、街乗りしていたのではなかろうか。

CDIユニットは、リアフェンダーに直接ネジ止めとした。ウインカーリレーは、共締めした自作のL型アングルに、純正ゴム製ホルダーを差し込んで固定した。ケーブルが短くコネクター側が上向きしか取り付けられず、雨水の侵入対策でビニールテープを巻くことにした。

サービスマニュアルを見ると、CDIユニットの取り付けステーもカットされているようだ。CDIユニットは、取り外されたリザーバータンクのスペースが開いているので、リアフェンダーに直接ネジ止めしてしまった。ボルトはタイヤ側からネジ部分を差し、ナット止め*1とした。

ウインカーリレーは、CDIユニットの一方へL型アングルを共締めにし、そこへゴムホルダーを通し固定した。これで全ての電装ユニットは、タイラップ止めからネジ止めとなった。この純正ウインカーリレーだが、LED対応加工を行ってみた。ウインカーのLED対策は、内部にあるシャント抵抗を取り外し、3W0.2Ω*2の抵抗に置き換えるだけで良い。この措置で、ハイフラッシャーにならなくなる。

アルミ製フラットバーを利用したバッテリー置台。ステーは、リア側を曲げてリアフェンダーに、前側はフレームに配管用サドルバンドを介して固定した。バッテリーは、横置き可能なジョグ系スクーター用を流用。

灯火類全LED化を目的としているので、安定した電源供給のためにはバッテリーは必須となる。といってもバッテリーを収めるバッテリーケースそのものが、取り外されていた。そこで例によって、ヤフオクでバッテリーケースを調達。無事商品が届き、バッテリーケースをスペースにあてがってみると……。なんと、取り付け用ステーがカットされていた。ステーが散々カットされていると分かっていて、この始末だ。実はバッテリーケースが収まるフレームの右側に取り付け用のネジがあったのに惑わされてしまったのだ。片側はネジ止めで、もう一方はフレームに引っ掛けられるなど都合のいい事を勝手に思っていたのだ。一縷の望みが絶たれてしまい、バッテリーケースの取り付けはどうすることもできなかった。

バッテリーのコネクターは、ジャンク箱にあったジョグ系スクーター用を流用した。フューエルタンクのステー下にバッテリーの一部を押し込むと、バッテリーがずれることはない。

「だったら、バッテリーケースレスは?」ということで、バッテリーを収納するべくスペース捻出を図ることにした。本来搭載される純正バッテリーはYB5L-B(ユアサ調べ)で、重量が約2kgある5Aのバッテリーだ。

灯火類全LED化を行うため、小型タイプでも問題ないだろうと考え、YT4B-BS(ユアサ調べ)という重量約1.4kgの3Aバッテリーに置き換えることにした。このバッテリーヤマハのジョグ系スクーターや、TZR250R(3XV)にも搭載されており、横置きも可能なバッテリーなのだ。手元にアプリオ用中古バッテリーがあったので、精査するにも打ってつけだった。

アルミ製フラットバー利用のステー前部には、配管用片サドルバンドを組み合わせてパイプフレームに固定している。

小型軽量バッテリー用の搭載場所をあたっていると、ここならというスペースを見つけることができた。フューエルタンク後方、オイルタンクの右にあるスペースだ。フューエルタンクのステーの下に潜らせるようにしてバッテリーを置いてみると、最初からここが搭載スペースなのではないかと思えるぐらいだった。左右方向もオイルタンクのキャップとフレーム間に奇麗に収まるようだ。そこでアルミ製フラットバーを利用してバッテリーを置けるようにしてみた。するとフューエルタンクのステーとアルミステーに挟まれ、バッテリーを巧く固定することができた。これなら走行中にもずれるようなことはないだろう。

バッテリー端子との接続は、ジャンク箱にあったヤマハ系スクーターのコネクターを利用、+−電線をハンダ付けしてからヒシチューブで絶縁を行っている。

 

改善

純正ウインカーリレーをLED対応用に加工してみた。コ型のシャント抵抗を取り外し、3W0.2Ωの抵抗に交換するだけだ。値の違う抵抗を何種類か購入し、ウインカーの点滅回数が保安基準内になる値の抵抗を選択している。抵抗をハンダ付けしたプリント基板の手前側が欠けた箇所。

純正ウインカーリレーを、LED対応化の加工を行い問題なく運用できていた。ところがある日、走行中にウインカーが点滅しなくなってしまったのだ。実はケースをこじって開ける際に、プリント基板を一部欠いてしまったのだ。ハンダ付けで補修をして事なきを得たと思っていたのだが、補修箇所が振動に耐え切れなくなり、ハンダ付けが剥がれてしまったようだ。再度補修を試みたが、プリント基板の欠損部分の回路が全くハンダ付けを受け付けなくなってしまった。やむなくヤフオクで同タイプのウインカーリレーを調達。今回は内部構造が判明しているので、プリント基板の位置を考慮しながら慎重に分解したので割れることはなかった。加工に関しては、やることは前回と同様なのでサクッと終了した。

ウインカーリレーが壊れたのを機に、バッテリーの左隣へ自作L型ステーごと移設した。以前のCDIユニットの横だと、ケーブル長の関係でコネクター側が上を向かざるを得なかった。移設後は、雨水の侵入の懸念がなくなった。

ウインカーリレーは、以前の位置だと雨水侵入の懸念があったので、取り付け位置をバッテリー横に置くことに変更した。ここなら雨水侵入の心配もないだろう。

 一時はどうなるかと思ったが、手間をかけずにアイディアで乗り切ることができたバッテリーの搭載。この後の車体関連編で展開するあるパーツを取り付ける上でも、後押しになるといっていいだろう。自己満足度満点のモディファイだった。

ーつづくー 

*1:四輪のロールケージ取り付けに倣ってみたものだ。四輪のロールケージは、必ず室外側からボルトを通し、室内でナット止めにする。逆向きに取り付けると、フロアパンを擦るようなことがあると、ネジ山を飛ばす恐れがあるからだ。

*2:抵抗の値は参考用