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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホンダNS-1 メンテ後ナンバー再登録で公道復帰へ ─ 前編 ─

2018年8月に自賠責保険が切れるのを機に、ナンバーを切ってしまったNS-1。あれから5年近くも経ってしまった。フロントディスクローター大径化が完成したことで、ナンバーの再登録を行うことにした。ところが、まともに走らせるためには、色々とメンテナンスを行わなければならなかったのだ……。


 

 

マスターシリンダー交換


長期保管中に社外製別体型タンク式マスターシリンダーのピストンから、ブレーキオイル漏れが発生。レバーとホルダーの一部に塗装剥げが見受けられた。

ナンバー再登録をする上で、安全に乗れるようにとメンテナンスを始めることにした。長期保管時に気にはなっていたのだが、社外製のマスターシリンダーのピストン付近からブレーキオイルが漏れたようで、塗装が一部剥がれ落ちていたのだ。そのせいなのか、キャリパーが固着気味で、ちょっとした移動でもブレーキが引きずるようになっていた。そこで、キャリパーを確認すると、2つあるピストンの下側が固着気味なのが分かった。そのピストンの揉み出しを行ったところ、若干渋めだが動くようになった。以前のオーバーホール時に、ピストンとシール関係は新品で組んでいたので、サビなどはなくまだまだ利用できそうだった。


新規に投入した社外製一体型マスターシリンダーの新品。バンジョーボルトとワッシャーも付属していた。黒いレバーは、従来品からの再利用だ。

しかし、具合が芳しくない。やはり、原因はマスターシリンダーなのか。今度はマスターシリンダーの分解清掃を行ってみた。ところが、ピストンのシールがへたり、エアを吸い込んでしまっているようなのだ。拙ブログで確認すると、NS-1を入手したのが、2013年5月とある。レストア開始時に購入した社外製マスターシリンダーなので、OHキットがあるかどうかも分からない。それよりも、社外製の新品マスターシリンダー購入した方が賢明だろう。ヤフオクで調達したものは、レバーがメッキタイプだった。そこで、以前の黒いレバーを充てたところ使えそうなので、移設することにした。レバーの元型が同じなのか、全く問題なく利用できている。

 

オイルタンク漏れ補修


満タンにしたオイルタンクからのオイル漏れ補修には閉口した。オイルレベルセンサーを外すと、そこからオイルがダダ洩れとなるので、タンクからオイルがこぼれないような位置を見極めながらの補修は、思いのほか大変だった。

2ストオイルがほぼ空だったので、ヤマハの青缶で満タンにしておいた。翌日にガレージを覗くと、NS-1のカウル下のコンクリート叩きにオイル溜まりができていた。どこから漏れているのかチェックしてみると、2ストオイルタンクのオイルレベルセンサーから滲み出ているのが分かった。ネット検索をしてみると、水道用シールテープで補修した記事を見つけることができた。同様に実践してみたところ、オイル漏れは見事に止まってくれた。ただし、2ストオイルが満タンだったので、思いのほか苦労することになった。画像のようにオイルの注入口を下にして、オイルレベルセンサー取り付け口からオイルがこぼれ出ないように注意しながら行った。それでもオイルはこぼれ出てしまったが……。

 

クーラントサブタンク補修


クーラントのサブタンクの折れたステーは、100均プラリペア代替品で補修した。補修前にパーツクリーナーで脱脂を行ってから作業を行っている。

30年も前のバイクなので致し方ないのだろうが、次から次へと問題が出てくる。今度はクーラントのサブタンクの2か所あるステーの一方が折れているのを見つけ、こちらも補修を行った。素材の関係で直せるかは分からなかったが、プラリペアで補修を行うことにした。折れた箇所の縁をカッターで斜めに削り、補修の準備をする。パーツクリーナーで脱脂を行い、プラリペアを若干多めに盛っていく。翌日に確認すると、折れたステーは問題なく固定できていた。このサブタンク、熱によるものなのか、ヒビがタンク全体に見られ、いつかは漏れ出すかもしれない。

 

燃料ホース交換


燃料ホースは、キジマブランドの内径Φ4.5ミリで、ガソリン対応・耐油・2層管という製品を取り付けた。

燃料ホースは、純正の布巻タイプ式燃料ホースが取り付けられていたのだが、30年経過した割には思いのほか弾力性があった。サービスマニュアルを確認すると、燃料ホースは4年毎に交換とあるのだが、内径などの仕様は見つけることができなかった。そこで、以前に購入した燃料ホースがあったので、内径Φ4.5ミリ内径Φ5ミリを探し出してきた。まず、内径Φ5ミリを取り付けてみると、若干緩めな感じだった。次に、内径Φ4.5ミリを取りつけてみる。こちらはキッチリとした感じだったので、こちらを取り付けることにした。あとで分かったのだが、パーツリストには、フューエルホース 4.5×380と記載されていた。

 

キャブレターガスケット交換


キャブレターのゴム製シールがへたり、ガソリンがポタポタと漏れ出した。そこで、紙ガスケットを自製して取り付けてみたが、ガソリン漏れは完全には止まらなかった。

いよいよガソリン投入だ。CBX125Fに横付けしたNS-1へ、灯油用ポンプでガソリンを給油。燃料コックのポジションをリザーブ位置に捻ると、ガソリンがコックから滲みだしてきた。慌ててポジションをオフ位置に戻し、底蓋を確認すると指で底蓋が回ってしまった。もしかすると、ナンバーを切る際にガソリンタンクを完全な空にするために行ったのかもしれない。長期保管時には、ガソリンタンクをサビさせないように、ガソリンを完全に抜き、燃料キャップを外して給油口にウエスを被せるだけにした。改めてガソリンタンクを覗いてみると、サビの発生は全く無いようだ。それに加え、キャブレターのフロート側ケースも奇麗なままだった。


発売から30年経過したバイクの純正ガスケットキットが、有難いことにまだ入手可能だった。これにより、ガソリン漏れは完全になくなった。

ガソリンコックの裏蓋を工具で締め、ガソリンを流してみると、燃料漏れは収まったようだ。ところが、今度はキャブレターの継ぎ目からボタボタと漏れだしてきた。キャブレターのフロートケース内にあるオイルシールが寿命かもしれない。そこで、モノタロウブランドのガスケットが手元にあったので、簡易ガスケットを作成してみた。潤滑油や燃料をシールする箇所に適しているとあるので、期待をしていたのだが、燃料漏れは完全には収まらなかった。その後、純正の新品ガスケットキットが入手可能だったので、早速パーツを注文し交換を行った。

後編へ続く