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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

出戻り単車乗り

バイクのレストアを始めたのは、ホンダNS-1が最初だった。レストアが一段落すると、やはり乗りたくなってしまった。63cc登録の原付二種のナンバーを貰い、自賠責にも入った。任意保険は、四輪用任意保険付帯のファミリー特約だ。これで乗る準備は整った。20年近くのバイクレス……。乗ればそのタイムラグは、直ぐになくなった。ちょっと危ないけれど、すごく楽しい世界に舞い戻ってしまった。


 

 

リターンライダー登場!!


純正や社外製バーツを投入して、レストアが終わったNS-1。サビや汚かった箇所は、塗装したり、磨きを掛けてみた。パッと見は、かなり奇麗な状態になったと思う。

相方に、なんとか乗ることが許された。以前に取得した二輪の免許は、限定解除なので、排気量は問わずに乗れる。しかし、家計への負担を考慮して、原付二種までと自分に言い聞かせた。原付二種までなら、クルマの任意保険に付帯したファミリー特約が利用できる。しかも、登録台数の制限がなく、家族で複数台所有していても、各々に任意保険が適用されるのだ。それに原付二種なら、二段階右折や最高速度30km/hの制限がない。街乗りなら充分なパワーを持っているので、交通の流れに乗ることも難しくない。経済性も抜群だし、原付二種、おススメだと思う。

 

かなわぬバイク免許取得


50ccとは思えぬほどのボリューム感。今後、レーサーレプリカ風バイクは、このクラスでは登場しないだろう。さらに、50ccの2ストロークバイクは、市場にあるだけだ。

どうしても触れておきたいのが、バイク免許取得のことだ。まずは、原付一種。地元の友人と、高校一年になってからのある日、原付一種免許を鮫洲試験場に取りに行った。JR品川駅につき、京浜急行の品川駅へ向かう。すでにホームに電車が止まっていて、間もなく発車のアナウンス。滑り込むように乗り込むと、すぐに発車。鮫洲駅で下車することは分かっていたが、なぜか鮫洲駅を通過してしまった。飛び乗った電車は、川崎駅までノンストップの電車だったのである。結局その日は、免許取得がかなわなかった。初めて乗った京浜急行の苦い思い出である。

その後、無事に原付一種を取得。実家の新築をお願いした近所の大工の棟梁から、放置してあったカブ*1を貰うことができた。ナンバー取得後に、例の友人と二人で、代わり番こにカブのキックをしたのだけれど、一向にエンジンが掛からない。そこで、二人で押し掛けをすることにした。僕がハンドルを握り、友人が後ろから押してくれた。何メートルか押しているうちにエンジンが掛かりそうになった。そのまま二人で押していく。するとエンジンが始動した。が、悪いことにアクセル全開のままだ。アクセルが戻らないので、やむなくカブを地面に突っ伏した。エンジンがうなりを上げる中、慌ててキーをOFFにした。

好調とはいえぬカブと、地元の友人がホンダCL50に乗っていたこともあり、クラッチ付きのバイクが欲しくなってしまった。そこで、親のすねをかじることに……。その頃はトレール車*2に興味があったので、ミニトレの中古を買ってもらうことにした。親父と上野のバイク街へ行き、程度のいいオレンジタンクのミニトレを見つけ、買ってもらった。ミニトレは、高校の友人宅へ遊びに行ったり、近くの土手でジャンプの練習をしたりと、楽しい思い出がたくさん詰まったバイクだ。高校の友人達がバイクを買ったのは、ミニトレの魅力のせいかもしれない。

 

先鋒となった一発試験


メンテナンス用にフロントスタンドも購入した。前後スタンドを掛けると、小排気量レーサーのようだ。

高校二年になって、自動二輪の一発試験に挑むことにした。その当時の免許区分は、原付一種、二種、自動二輪の3つしかなかった。しかも、自動二輪の実技試験は、125ccのバイクだったと思う。ちょうどその頃、限定免許新設の噂があり、確か翌年か翌々には、限定免許が施行されたように思う。今のうちに取れぱ、限定なしという魂胆だ。

試験当日、学科試験は見事にパス。次は実技試験だ。当日の試験コースが張り紙で掲示されたので、コースを頭に叩き込んだ。実技試験は、前から2番目という早い順番となってしまった。そこで、前走者の走りをよく見て、コースを確認しようと思っていたら……。前走者が走る前に、いきなり失格となってしまった。一番初めで緊張したのか、メインスタンドを立てたまま走ろうとしてしまったのだ。それではバイクが走るわけがない。僕は、実質1番目の走者となってしまったのだ。

まずは、慎重にメインスタンドを外した。バイクにまたがり、前方と後方の安全確認をする。いよいよスタートだ。頭に叩き込んだコースを思い出しながら、安全確認に注意して、指定のスピードでコースを走らせていく。止まったり、走ったりの繰り返しだ。すると、一度も呼び止められることなく、最後までクリアしてしまったのだ。緊張の糸が解けると、何ともいえぬ達成感があった。

いよいよ試験結果発表である。シーンと静まり返ったなか、試験官から合格者の番号が、次々に読み上げられていく……。「以上」と試験官。ちょっと待て。僕の番号が発表されなかった。最後まで走り終えたけれど、落ちてしまったのか……。と良からぬことを考えながら、慌てて試験官をつかまえた。僕の番号を告げてみる。試験官が、合格者一覧を見ながら「えーっと、君、合格だよ」。なんと、僕の番号を読み飛ばしていたのだ。どんでん返しの一発逆転だ。いやーっ、うれしかった。一発試験に1回で合格したのだ。しかも、こんな落ちまでついて。今も忘れない思い出だ。

ーつづくー

 

*1:ウインカーが四角のOHVカブ

*2:今でいうオフ車