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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ヤマハTZR125レストア&モディファイ ― チャンバー編

サビ落としの次のターゲットは、チャンバーだ。チャンバーはサビていても穴が開いてなければ機能はする。だが、貴重なOXレーシングのチャンバーなので、サビ落としを行い綺麗な状態にしたい。さらにチャンバーに耐熱塗装を行えば、気分は新品同様だ。


 

 

チャンバーのサビ落とし

美しいカーブを描くエキゾーストパイプが特徴の、貴重なOXレーシングチャンバー。サビの酷いところは「サンダーGray」の原液を、歯ブラシで擦り込んでみた。

フューエルタンクのサビ落としに続いて、チャンバーのサビ落としも行った。フューエルタンクのサビ落としで使用した「サンダーGray(強力さび落としコート剤)」は、再利用できるので、20リットルポリタンクに溜めておいた。それをペットボトルに小分けし、チャンバーに再利用した。

ケミカル処理の前に、チャンバー全体と内部を高圧洗浄機を利用して念入りに洗っておいた。「サンダーGray」での処理は、厚手のビニール袋に希釈液を入れ、チャンバー本体を浸してドブ付けに近い方法で行ったみた。

フューエルタンクのサビ落としで使用した「サンダーGray」の希釈液は、ペットボトルに保存した。大き目のビニール袋に「サンダーGray」の希釈液を入れ、チャンバーのサビ落としを図ってみた。

チャンバーが大きいこともあり、前部、後部と2回に分けて処理を行った。画像では、サイレンサーがついているが、後部の処理の際には、サイレンサーは外している。このほか、歯ブラシを利用しての塗布を、ピンポイントで行ってみた。本来なら、24時間ほどドブ付けを行いたいところだが、今回は2回に分けてやらざるを得ず、長時間のドブ付けは見送った。

ケミカル処理で、ある程度はサビ落としができたのと、チャンバー内部にも表面コーティングができたことを信じて、物理的に表面のサビを落とすことにした。

「サンダーGray」ケミカル処理後の様子。希釈液の短時間の処理ということもあり、サビの酷いところは完全には落としきれていない。表面がコーティングされているのが分かる。

チャンバーのエキゾーストパイプ部分は、排気温度で高熱になることもあり、特にサビが酷かったので、ステンブラシやワイヤブラシで念入りにサビ落としを行った。それ以外にも所々にサビがあったので、ステンブラシで擦り落としていった。

サビ落とし用のブラシは、場所や用途によって、真鍮、ステンレス、ワイヤブラシを使い分けている。サビ落とし用としては、ダイソーのステンブラシだけでも事足りると思うが、それ以外のブラシもあると重宝する。

サビ落としの仕上げに、ダイソーで購入したディスクグラインダー用ディスクペーパーで表面の磨きだしを行った。

 

チャンバーの塗装とパイプユニッシュ処理

艶消し黒塗装を行い、塗膜乾燥後に、パイプユニッシュ処理を行った。ホームセンターでゴムのキャップを調達。ネジを閉め込むことで、キャップの径を広げて抜け難くした。

チャンバーの塗装は、もはや我がレストアの定番となった、男前モノタロウの耐熱スプレーブラックで行った。価格と半艶の仕上がりが、僕のお気に入りだ。チャンバーの場合は他の塗装作業と異なり、下地にサフェーサーの類いを噴くことなく、直に耐熱スプレーを噴くだけだ。

この耐熱塗料は、熱を加えることにより、塗膜が完全硬化するようになっている。ウェブサイトの説明では、180℃程度の熱を20~30分以上かける必要があるようだ。チャンバーに熱は加えていないのだが、塗装が終了したので次の作業に入ることにした。

パイプユニッシュによるチャンバー内部のカーボン洗浄は、洗浄剤の促進をはかるため、なるべく日向に置くようにした。それと合わせてチャンバーを前後左右に揺さぶり、洗浄液の撹拌も行っている。

次に行ったのは、チャンバー内の洗浄処理だ。2ストはオイルを燃焼しているため、どうしてもチャンバー内にカーボンが溜まりやすい。チャンバー内が詰まれば、2ストの場合、エンジン性能低下に直結してしまう。 

そこで、チャンバー内の清掃を行うのだが、2つ方法がある。焚火などを利用して、チャンバー内のカーボンを焼く方法と、ケミカル処理でカーボンを溶かしてしまう方法だ。今回は、ケミカル処理で行う方法にした。そういえば最近は、地球温暖化を考慮してか、生活地域での焚火は、さすがに見なくなった気がする。

アマゾンで調達した赤外線レーザー温度計で、5月中旬13時頃に測定してみると、チャンバーの表面温度は46.2℃だった。

チャンバー内洗浄といっても、パイプユニッシュをチャンバー内に溢れるくらいまで流し込み、ゴム栓をして放置するだけだ。ただし、チャンバーを手に取り、前後左右に揺さぶり、洗浄液の撹拌を何回か行った。また、洗浄液は高めの温度の方が、洗浄効果がアップするようなので、チャンバーを日向に置いてみた。5月中旬にこの処理を行ったのだけれど、13時頃のチャンバーの表面温度を計測すると、46.2℃を表示していた。日が暮れる前にパイプユニッシュのケミカル処理を終了させ、高圧洗浄機で内部を洗浄、チャンバーを乾燥させて一連の作業を終えることにした。

ーつづくー