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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホンダNS-1 リップス製チャンバーの再塗装とメンテナンス

NS-1のモディファイが一段落。ところが、カウルの前方からチラッと見えるエキゾーストが、サビだらけなのが気になりだしてしまった。チャンバーを購入してからノーメンテだったので、サビ落としを行い耐熱塗料で塗装をすることにした……。


 

 

リップス製チャンバーの再塗装


約10年前にヤフオクで調達したNS-1用リップス製チャンバー。レースで使用されていたようで、改造が施されていた。

フロントアンダーカウルから見えるエキゾーストパイプの赤サビが、以前から気になっていた。公道復帰も叶い、モディファイも一段落したこともあり、サビ落としを行ってから再塗装をすることにした。画像だと分かりづらいが、エキゾーストパイプ付近の塗装が熱で焼かれてしまったのか、赤サビが特に酷かった。その他は膨張室に溶接で取り付けられたステーに、若干のサビがある程度だった。テールパイプには、ほとんどサビの発生はなく、アタリや凹みもない程度の良いチャンバーだと思う。サビの酷いエキゾーストパイプは、電動ドリルに真鍮カップブラシをつけてサビを落とすことにした。


フランジが溶接で固定されているリップス製改造チャンバー。塗装はモノタロウブランドの耐熱塗料ブラックで行った。

サビを満遍なく落としたら、塗装の下準備として、チャンバー全体を耐水ペーパー代わりのスコッチブライトで研磨、脚付けを行った。次にシリコンオフで脱脂、塗装はモノタロウの耐熱塗料ブラックで行った。実はこのチャンバー、10年近く前にエンジンと一緒にヤフオクで落札したものだ。出品者が割と近くの方だったので、落札品2点(エンジン+チャンバー)を引き取りに伺った。その際に、どちらもレースに使用していたものだと聞かされた。このチャンバーはリップス製で、フランジが溶接してあるのは、レース用に改造したためのようだ。

 

リップス製改造チャンバーの取り付け


エキゾーストパイプをショート化したことで、チャンバーステーの穴がフレームにネジ止めできなくなっていた。

リップス製チャンバーは、ステーの穴が長穴になっているので、通常なら所定の位置に問題なく取り付けられるはずだ。ところが、入手したチャンバーは、そのステーの位置が後方にずれてしまっている。これはステー位置を変更したわけではなく、高回転化を狙いエキゾーストパイプをショート加工したためのようなのだ。それゆえ入手時に延長用ステーが、取り付けられていたのだ。フランジの溶接の仕上がりは、見るからにプロの技だが、それに比べて延長ステーは、やっつけ仕事のようだ。今回、穴開きステーが余り好きでないというのもあるが、鋼製フラットバーで、しっかりとしたものに作り替えることにした。


リップス製チャンバー入手時に付属していた穴開きステーと、今回鋼製フラットバーから自作したステー。ステーにタップを立てるのが主目的だ。

自作したチャンバー取り付け用ステーは、20ミリ幅の鋼製フラットバーで製作した。ステーの折り曲げは、中華製折り曲げ機と万力を使った手作業で行った。2ヵ所あるボルト穴部分は、ボルトが傾いて取り付かないように留意しながら、現物合わせで曲げ加工を行っている。穴開け加工は、バイクフレーム側にはΦ8ミリ径、チャンバー側はΦ7ミリ径の穴を開け、そこに8✕1.25用ボルトのタップを立ててある。そして、ステーの周辺をディスクグラインダーで整え、スコッチブライトで研磨を行い脚付けとした。ステーの仕上げは、脱脂後にプライマー、つや消しブラックの順で塗装を行った。意外と複雑な形状のステーなのだが、何とか満足のいく仕上がりになったようだ。

 

サイレンサーのメンテナンス


リベットからオイルがにじみ出るということは、内部はオイルですごいことになってそうだ。分解後の掃除が思いやられる。

サイレンサーにだいぶオイルが溜まっているようで、チャンバー下側の蓋やリベットからオイルが滲みでていた。特に蓋はシール材が機能しなくなり、オイルが滴り落ちてくる状態だったので、追加でシール材を塗布しておいた。それでも走行すると、白いリアホイールのリム部分に、オイルが放射状に付着するぐらいになってしまった。タイヤのショルダー部分にオイルが付着するのは好ましくないので、チャンバーのメンテナンスを行った方が良さそうだ。そこで、アマゾンでチャンバー用のグラスウールを探していたら、キジマからおあつらえ向きの製品が出ていた。


下側の蓋にも穴開き丸パイプは、溶接されていたが折れてしまった。サイレンサーの表側のみ色を落としたので、裏側はアルマイト色が残っている。キジマ性グラスウールが太かったので、薄く剥いでから利用した。

リップス純正のサイレンサーを分解するためには、リベットを外す必要がある。下側の蓋を外せば、穴開き丸パイプとグラスウールが取り出せると思ったら違っていた。テールパイプ側のリベットも外してみる。すると、テールパイプ、穴開き丸パイプ、下側の蓋と繋がっていた。最初に下側の蓋をグリグリやり過ぎて、結局穴開き丸パイプが千切れてしまった。下側の蓋に残った穴開き丸パイプは、ディスクグラインダーで溶接部分を削り、取り出してしまった。仮り組してみると、蓋が若干内側に入り込んだが、特に問題ないことが分かったので組み上げることにした。キジマ性グラスウールは、リップス製サイレンサーには太いので、グラスウールを薄く剥がして利用している。

 

改造チャンバーのパフォーマンスは? 


リップス製チャンバーの改造により、約20ミリほど後方になっているチャンバーステー。チャンバーは、自作ステーを介してしっかりと固定できている。ボルトはネジロック塗布済み。ボルト形状が揃っていないのは、ご愛嬌ということで……。

公道復帰後に、改めてキャブセッティングを行った。メインジェット、ジェットニードル、エアスクリューを調整、ほぼ谷のないセッティングになった。エンジン回転を高めながら、長めの半クラクラッチミート。6,000回転以下はスカスカだが、7,000回転を超えれば、トップエンドまで一気に吹き上がる。回転の上がりが速いため、2速、3速と5速まではシフトアップが忙しい(まさかクロスミッション搭載?)。ボアアップされたリップス製63ccエンジンと相まって、パワフルで痛快だ。2ストらしいパンチのある高回転域は病み付きになる。ふとスピードメーターに目を落とすと、60キロにも達していない。けたたましい排気音と加速感の割に、小排気量とあってスピードがのってこないのだ。こりゃー(ペナルティを気にせず)楽しめそうだ……。