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ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホームシアター2001から2019バージョンへ

今から19年前の2000年のことである。自宅の各所に老朽化が目立つようになり、新築しようと思い立った。そこで以前から興味のあった、ホームシアターの設置を考えた。ホームシアター専用ルームは無理だけれど、せめて居間の一画に、ホームシアターの常設をと思ったのだ。設計士の方に、天吊り金具とプロジェクターの図面を預け、ホームシアター設置の下準備をお願いした。いよいよ憧れのホームシアターが、現実となる。


 

 

ベストバイのプロジェクター

発売当時のベストバイモデルだった、ソニーVPL-VW11HT三板式液晶プロジェクター。VPL-VW10HTの後継機で、性能が大幅にアップされた。天吊り金具とプロジェクターを合わせた重量は約11kgにもなるので、事前に天井の補強工事を行ってある。

その当時に、僕が選択したのは、ソニーVPL-VW11HTというプロジェクターだ。ソニー製民生用3LCDパネルプロジェクターの旗艦モデルだったと思う。当時のオーディオビデオ雑誌では、ベストバイに選択されていたモデルだ。価格もそれなりにして、確か60万円を超えていたと思う。プロジェクターは、発売されている機種も少なかったのだが、当時のソニー製映像機器は、性能とカッコがよかった。今では当たり前の横型テレビも、ソニートリニトロンモデルを選んだぐらいだ。

今にして思えば、プロジェクターによくそんな金額を投入したと思う。ただその当時は、日本国内ではプロジェクターは、一部マニア向けの商品であったことや、販売台数の関係で、高額商品にならざるを得なかったのかもしれない。

スクリーンは、キクチ製シアターグレイスクリーン、16:9の100インチでスプリングローラータイプを選択した。電動タイプは、さすがに予算オーバーだった。

ホームシアター用に、予算は100万円を充てていた。次はスクリーンだ。液晶プロジェクターは、黒の諧調表現が甘くなるようだ。それを補うべくスクリーンが存在した。キクチのシアターグレイスクリーンがそうだ。電動スクリーンには憧れたが、確か25万円ぐらいした記憶がある。さすがに予算オーバーなので、16:9で100インチのスプリングローラータイプにした。それでも当時の価格で、12万円超えたぐらいだったと思う。

プロジェクターは、天吊り設置のため、専用天吊り金具PSS-610も必要だ。こちらは、金具だけなのに4万円ほどだった。これらの商品は、秋葉原にあったアバックの店舗へ赴き、購入の手続きをした。

予算内では、デンオンのAVR-3300が奏でる音質が好みだったので、これを選択した。今でも音出しに現役だが、デジタル機器の接続に関しては、如何ともし難いものがある。

残りの金額約30万円で、AVアンプ、5.1チャンネルを組むスピーカーを、揃えなければならなくなった。それでも、オーディオ機器の選択は、気が楽だ。その当時は、各メーカーから色々なタイプが発売されており、価格もこなれている。予算を言って、プロが勧めてくれるのを選ぶだけだ。ショップ巡りの何件目かは定かではないが、当時あったラオックスで、AV機器を取り揃えることにした。

AVサラウンドレシーバーは、ヤマハデンオンを勧められたのだが、デンオンのAVR-3300が、予算内では音質が好みだったので、これに決定。スーパーウーファーデンオンDSW-101-Mにした。

スピーカーは、ケンウッドが撤退するようで、セール中のトールボーイ型スピーカーLS-V520-Wを選択した。リアスピーカーは、JBLのCONTROL 1にした。以前購入したことがあって、サウンドが気にいっていたのだ。センタースピーカーも、JBLにしてみた。N-CENTERという形の変わったスピーカーだ。これで、なんとか予算内に収めることができた。


自分で行ったインストール作業

インストール作業は、全て自分で行った。カナレ製ケーブルのRCAピンコネクタ取り付けは、プロの処理方法を参考にした。

インストールは、全て自分で行ったのだが、なかでもプロジェクターへの配線が大変だった。新築時に壁と天井内の所定の位置に、AV機器配線用の22ミリ径CD管を2本通してもらっていた。CD管の中には丈夫なヒモを通してもらってある。

AV機器用ケーブルは、業務用などにも使用されているカナレ製を選んだ。同社製5芯ケーブル10メートルを2本、RCAピンコネクタ20組、圧着工具(これが高い)を秋葉原のショップで購入してきた。ケーブルは、CD管に通す前に片側にだけ、圧着工具を使ってRCAピンコネクタを取り付けてある。反対側は、ケーブルの端にヒモをきつく結び、ビニールテープを巻いて解けないようにした。

ケンウッドが撤退するとのことで、セール中だったトールボーイ型スピーカーLS-V520-Wを購入することにした。サウンドも良かったのが、決め手となった。手前にあるゴジラは、東京マルイ製初代ゴジラ。動かしたのは最初だけで、今はオブジェと化している。

ヒモが滑らないようにゴム引きの手袋をして、ヒモを引っ張り始めた。壁側から天井へケーブルを引っ張り出すことにしたのだが、約10メートルのケーブルを引っ張り出すのは、容易ではなかった。最初はなんとか引っ張れたのだが、なかなか進まなくなってしまった。そこで、相方に壁側からケーブルを押し込んでもらうことにした。「せいの」の掛け声ともに引っ張り、天井のCD管からケーブルが出てきた時には、ちょっとした達成感があった。2本目は、ケーブルとヒモの結び目をコンパクトにしてみた。少し要領を得たこともあり、1本目より早く通すことができた。あとはケーブルの反対側と同様にケーブルの処理をして、RCAピンコネクタを圧着工具で取り付けるだけだ。

JBLのCONTROL 1は、以前購入したものがあるのだが、追加で購入してしまったぐらいのお気に入りだ。リアスピーカー用の配線は、スピーカー用ケーブルを事前に通してもらっていた。

プロジェクターは、常設のため天吊りとした。天吊り金具が取り付けられるように、事前にボルトが3か所に埋め込められている。天吊り金具だけで2.7kgと、すでに重いのだが、そこに8kgのプロジェクターとで11kg弱にもなる。事前に補強工事をしておいて正解だった。

スクリーンの取り付けも一人ではできないので、相方に手伝ってもらった。こちらも事前に補強工事をお願いしてある。プロジェクターとスクリーンの距離は、丁度100インチサイズで投影できるようにプロジェクターが取り付けてある。あとはスクリーンの中心と、プロジェクターのレンズ中心を壁から計測して、合わせればよい。微妙な補正はプロジェクター側で行える。これでAV機器と配線をすれば、あとは楽しむだけだ。

設置が終わったので、DVDソフトを投影してみた。100インチに映し出される映像と、5.1チャンネルのスピーカーから出る音で、まさに小さな映画館である。あまりにも音の迫力があるため、音量をこのままにして、どのくらい音が外に漏れているかを、室外から確認をしてみた。高気密高断熱を謳う家とペアガラスがいい仕事をしているようで、音漏れは全く問題ないレベルだった。それに、幸いにして北西側に家はなく、南側の2階は倉庫だ。東側は拙宅の階段室や部屋があるので、音漏れに関しては、全く問題ないと思う。これなら夜間でも、思う存分映画が見られる。子供が喜んだのは言うまでもないが、インストールを自分で行ったこともあり、至福のひとときを迎えられた。憧れのホームシアターの完成だ。

 

中華製プロジェクター投入

GooDee T26プロジェクターは、スマホ液晶フルHDのプロジェクターでは、アマゾンで一番の売れ筋商品のようだ。このプロジェクターとFire TV Stickの組み合わせは、最強ではないだろうか。価格的にも画質においても、よっぽど目の肥えたマニアでなければ、充分満足できるクォリティだと思う。

時は流れて、2018年の12月末に、我が家のホームシアターの要であるソニーVPL-VW11HT三板式液晶プロジェクターが、一線を退くことになった。それと同時期に購入した、デンオン製AVアンプのAVR-3300もだ。ソニー製プロジェクターの後釜に選んだのは、GooDee T26プロジェクターだ。フルハイビジョンのプロジェクターが、アマゾンのセール価格で22,949円である。価格破壊どころの騒ぎではない。ソニー製プロジェクターと比較すると、約1/20の金額なのだ。

いくらスマホ液晶利用のプロジェクターでも、フルハイビジョン画質だ。実際に投影させてみると、かなり繊細な映像を叩き出す。輝度も申し分ない。LED光源なので、50,000時間をうたっているし、中華製プロジェクターの中では、一二を争う性能ではないだろうか。本格的なプロジェクターとは、横並びの比較などはできるわけもないが、マニアでもない限り、充分満足のいく性能ではないだろうか。それにこの価格なら、3年持てば充分に元が取れる気がする。

スクリーンに関しては、古くても問題ない。キクチ製シアターグレイスクリーンと液晶プロジェクターとの相性は抜群だ。GooDee T26とでは、黒のシマリがあり、ビーズタイプなのでかなり明るめの映像が投影される。

それに重量も3.1kgと軽い。天吊り金具もコンパクトなもので済むのだ。天吊り金具もアマゾンで調達した。Firecore天吊金具という商品で、色はホワイトを選択した。ラッキーなことに、天井から集成材が飛び出した箇所が、100インチ投影のベストな距離だった。プロジェクターを片手で持ちながら、位置の決定を行ったのだが、VPL-VW11HTでは、片手で持つなんてことは、まず考えもしなかっただろう。

次に苦労して配線をしたケーブルの取り外しを行った。RCAピンコネクタ5か所取り付けられているが、思い切ってケーブルをニッパーでカットしてしまった。天井側からケーブルを引き抜いていったのだが、壁側のCD管内にシリコンスプレーを吹いたことが功を奏したのか、意外と簡単に引き抜けた。

もう一方のケーブルには、長さ10メートルのHDMIケーブルを取り付け、シリコンスプレーを少し多めに吹き付けておいた。こちらも上手く通すことができ、プロジェクターのHDMI端子に接続した。

 

デンオンからデノンへ

デノン製7.2ch AVサラウンドレシーバー、AVR-X1500H-Kを投入した。付属のマイクによって、音響的な問題を補正して最適化する「Audyssey MultEQ XT」を搭載と、コスパ抜群の力作モデルだ。AVR-X1500H-Kの上は、センタースピーカーのJBL製N-CENTER、右はスーパーウーファーデンオンDSW-101-M。

デンオン製AVサラウンドレシーバーAVR-3300から、デノン製7.2ch AVサラウンドレシーバーAVR-X1500H-Kへと置き換えた。ご承知かもしれないが、どちらも同じメーカーで、国内の呼称か変わっただけだ。このあたりの経緯は、ウィキペディアに詳しいので、ご覧いただきたい。

今のAV機器は、HDMI端子がないと話にならない。変換コネクタを介せば、リンクは行えるのだが、変換コネクタをいくつも買うぐらいなら、価格もこなれているAVレシーバーを購入した方が正解だろう。

そのAVR-X1500H-Kだが、HDMIの入力が6、出力は1と、まさに最新モデルらしい装備である。評判もすこぶる良い。メーカーの機器担当者インタビューを見て、納得してしまった。これもアマゾンで調達した。

プロジェクターへは、AVR-X1500H-KのHDMI出力側1と接続。コンポーネント出力とは違い、ケーブルの品質に気を使わなくて済むのがありがたい。デジタル信号で伝送できるHDMIで、信号の劣化はほぼ無視できる。10メートル長のHDMIケーブルでも、問題ないようだ。

入力側には、PS3Fire TV Stickを接続した。PS3は、BD再生のほか、ナスネを利用すればテレビ再生も行える。さらにDTCP-IPにも対応しているので、AV機器として利用している。Fire TV Stickは、説明するまでもないだろう。*1

これでローコストハイパフォーマンスの新ホームシアターが完成した。

 

*1:最近、年間使用料が上がってしまったのは残念だが、一度会員になって各種特典を経験したら、アマゾン沼から抜け出せない気がする。