page contents

ひと手間Weblog

メカ好き文系が試みたDIYと乗り物のレストアやモディファイの備忘録

ホンダCBX125Fのレストア ― エンジン周り編⑤

以前から気になっていた、インテークマニホールドの周囲にはみ出るほど塗られていた液体ガスケット。インテークマニホールドを取り外すには、Oリング状のシール交換が必須になるが、純正パーツは既になく二の足を踏んでいた。そんな折、Oリングを利用した対策方法を知り、メンテナンスを行うことにした。

<strongインテークマニホールドのメンテナンス


スクレーパーとオイルストーンの処理で、見違えるように奇麗になったインテークマニホールドとシリンダーヘッドの同パーツ取り付け部分。

CBX125Fのレストアは、遅々として進まない状況に陥ってしまった。今のところ、何をしても(素人なりだが)セルでの始動が行えない。それでも押し掛けではエンジンが目覚めるのだ。【ホンダCBX125Fのレストア ― エンジン周り編④ 】で、スタータークラッチのオーバーホールを行い、万全を期したつもりだった。ところが、これで直るかもと思ったメンテナンスは、不発に終わってしまったのだ。未だセルでの始動は行えないままという状況だ。そこで(素人故にメンテナンスに一貫性がないが)、以前から気になってはいたがノータッチだった、インテークマニホールドの状態をチェックしてみた。


インテークマニホールドのOリングが入る溝の長さを、太さの丁度いい麻紐で計測すると、約240ミリだった。

エンジン始動後に、インテークマニホールドの周囲にパーツクリーナーを吹きかけても、二次エアーの吸い込みは無さそうではある。そのインテークマニホールドには、液体ガスケットが周囲にはみ出すほどに、必要以上にたっぷりと塗布されていた。それ故かシリンダーフィンの奥にまで、所々残っている箇所があった。はみ出した液体ガスケットを拭き取らなかったのか、それともシリンダーフィンで拭ってしまったのだろうか。液体ガスケットは便利なアイテムだと思うが、一方で、再々のメンテナンス時には取り除くのに手間となる、諸刃の剣のような存在ではある。

 

NOK製OリングGシリーズ(固定用)を注文


OリングはNOK製ニトリルゴムのGシリーズで、品番G75を利用した。線径Φ3.1ミリ、外径80.6ミリのOリングだ。ゴムの戻りが強かったので、マスキングテープで溝に嵌め込んでみた。

一度は取り外してインテークマニホールドの状態を確認しなければと思っていたが、取り外すということは、Oリングを交換する必要がでてくる。このOリングはパーツがでないようなので、二の足を踏んでいたのだ。ところが、CBX125Fインテークマニホールド用として、ヤフオクでOリングが出品されていた。ならば、Oリングを調達すればよいだけの話しだ。そこで、インテークマニホールドを取り外してみることにしたのだが、それは目を覆いたくなるような惨状だった。液体ガスケットは、薄青と茶系色で塗られていたが、茶系部分は熱やガソリンで変色してしまったのだろうか。液体ガスケットが、バルブやシリンダー内に入って悪さをしてなければ良いのだが……。


Oリングをマスキングテープで矯正した後に、木片とクランプで少し圧力を掛けて数日放置して馴染ませてみた。

シリンダーヘッド側の液体ガスケットは、主にスクレーパーで削ぎ落した。最後にオイルストーンで処理をしたら、思いのほか綺麗になった。手間はかかったが、奇麗になった分、気持ちも高揚するというものだ。インテークマニホールド側は、モールドの凸凹があるため、インテークバルブ内にカスが入り込まないよう特に念入りに行った。融着されたゴム製インシュレーターにも、クラックなどは見受けられなかった。この部分は、クラック、割れ、剥がれがなどが起こるらしいが、35年も経過したパーツには見えないほどになった。さて、次は硬化してしまったOリングをどうするかだ。

 

NOK製AS568(固定用、航空機用Oリング油圧用)を再注文


モノタロウで調達したニトリルゴムのOリングは、いずれもNOK製だ。このうち、中身のなくなっているAS568-150Aを利用した。そのサイズは線径Φ2.62ミリで、内径72.69ミリ、外径77.93ミリだ。これ以外にも、さらに適合するOリングがあるかもしれない。

インテークマニホールドの凹型の部分を計測すると、深さが約2.5ミリで、長さが約240ミリだった。Oリングは、モノタロウで探すことにした。NOK製ニトリルゴムOリングのGシリーズで、麻紐で計測した長さを参考に、品番がG70とG75の2種類を選択した。サイズは外径75.6と80.6ミリ、線径が共にΦ3.1ミリというものだ。まず、G75をインテークマニホールドの溝に嵌め込んでみた。すると、ゴムの戻りが強く溝から飛び出てしまうのだ。そこで、マスキングテープで固定、木片とクランプだ圧力を掛けて馴染ませてみた。上手く馴染んだので、シリンダーヘッドにあてがってみると、溝からのゴムの飛び出し量が想像以上に多かった。どうやら選択ミスをしてしまったようだ。


線径Φ2.62ミリで外径77.93ミリのニトリルゴム製OリングAS568-150Aは、なにも加工せずに上手く溝に納まってくれた。溝の深さは約2.5ミリなので、シリンダーヘッドへ取り付けても、Oリングのシールドは問題ないようだった。

そこで再度モノタロウで、品番AS568-149AとAS568-150Aを調達した。こちらもNOK製のニトリルゴムOリングだが、固定用・航空機用Oリング油圧用とあった。このうち線径Φ2.62ミリで外径77.93ミリのAS568-150Aを溝に嵌め込んだみた。すると、何をするでもなく、上手く溝に納まってくれたのだ。試してはいないが、外径76.36ミリのAS568-149Aでもいけるのではないだろうか。価格は、いずれも130~175円/本だ。今のところ(自己責任ネタで恐縮だが)、OリングはAS568-150Aで問題なさそうだ。これでOリングの目途はついた。引き続きのレストアによって、目の覚めるようなことが起こることに期待したい……。